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インプラントコラム

こんにちは河北歯科医院、院長河北貫次郎です。

デンタルインプラントは歯の抜けたところが自然の歯のようによみがえるすばらしい治療法です。
しかし、まだまだ正確な知識をお持ちの方は少ないようです。
このコラムはインプラント治療に関する基本的なお話を中心に、私見も交えてお話を進めていこうと思います。
新しい治療法であるインプラントについては歯科医師の間でも様々な意見があることは事実です。
正確な情報を提供するつもりですが、私の臨床経験、考え方も加味されておりますので、そのことはご了承していただいてご覧ください。


従来法との比較2[顎堤の吸収] [天然歯の影響] [審美性、異物感]
 [顎堤の吸収]

顎堤とはあごの骨のことです。インプラント治療は顎堤を吸収する危険性があるが、義歯は安全であるというのは本当でしょうか?

昔前のインプラント治療においてはよくこの議論がでてきたものです。現在においてはむしろインプラントが顎堤の吸収を抑制し保護することが、抜歯して放置 した状態や義歯を入れた状態より優れていることが証明されています。

歯が抜けた後、歯槽骨はその役目を失い水平的に吸収していきます(そのことを廃用性萎縮といいます)。特に抜歯後6ヶ月は急激に吸収し、その後の吸収はやや鈍化しますが、吸収は止まりません。その値は年間平均約0.5mmです。

さらに、Atwoodは20年間観察していますが、下顎顎堤は安定することなく、吸収は生涯続くことがわかっています。また義歯では、その吸収を抑えることはできませんし、義歯の加圧により顎堤の吸収をさらに悪化させることが多いのです。



一方、インプラント周囲の経年的な骨吸収は平均年間0.1mm程度です。
しかも義歯の水平的骨吸収とは違い、インプラント頚部に限局したものですから、吸収量は義歯の数分の一以下といえます。(もちろん天然歯と同様に歯周病が進行したインプラントの骨吸収は大きくなる危険性はあります)




[天然歯への影響]

「従来型欠損補綴」すなわちブリッジや義歯では、天然歯を鈎歯、支台歯として負担をかけ、犠牲にしていきます。言い換えれ ば、従来型欠損補綴は残存歯の犠牲の上に成り立っているのです。
一方インプラントは残存する天然歯を犠牲にすることなく、歯の欠損を回復できます。また咬 み合わせに参加する歯数を増加させ、残存歯の咬合負担を分散し、負担軽減を図ることができますから、むしろ残存歯の健康を増進させるのです。

◆ブリッジの場合、下写真のように、歯の無い所の隣の歯を犠牲にして削ります。ブリッジが入った後も支えとなった歯には1.5倍の咬む力がかかり、負担が過重となりやすいです。
  

◆インプラント治療の場合は下の写真のように歯の抜けた所に直接インプラントがはいりますので、隣の歯を犠牲にする事も無いですし、咬む歯の数が回復するので、残りの歯の負担過重が防げます。



[審美性] 

ブリッジや義歯では審美性には限界がありますが、正しく行われたインプラント治療では天然歯と変わらない審美性を回復することができます。


[異物感]

入れ歯をお入れになったことがある方はご存知かと思いますが、その異物感は大変大きいです。入れ歯をするのをやめてしまう大きな原因の一つがこの異物感に あることは間違いないでしょう。
またブリッジでも、ポンテイック下の舌感不良、食べかすの迷入、呼気の漏れなどが起こりえます。一方インプラントでは歯頚 部の形態を天然歯に類似させることができるため、異物感はほとんどないといってよいでしょう。



[まとめ]

以上「従来型欠損補綴」と「インプラント」との比較をまとめると下表のようになります。


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