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予防歯科

図:10年間に失った歯の本数(50歳以上)

現在、虫歯も歯周病も運が悪くて罹ってしまう病気ではなくなりました。
虫歯も歯周病も細菌が感染して起こる病気なのです。
そのメカニズムは最近の研究でほぼ解明されており、いかに効果的に発症を防ぐかが世界規模で研究され、現在ではその効果的な予防法が世界中の日常臨床に応用されています。

ただし、虫歯も歯周病も高度に進行してからでは予防どころではありませんので、軽度のうちにちゃんと治療を受け、その後、予防歯科治療を受けて大切な歯を守りましょう。
厚生労働省の調査では、日本人は50歳を過ぎると10年間に平均5.4本の歯を失っています。
これに対して、メンテナンスを定期的に受けている人たちは、平均0.7本しか歯を失っていません。
その差はなんと8倍です。

図:各国の歯科検診割合と70歳の残存歯数

いかにメンテナンスが大切かがお分かりいただけたでしょう。
しかし、日本人のメンテナンス率は、全体のたったの2%です。そのために60歳の時点で日本人の歯は半分以上が失われています。
予防先進国といわれるスウェーデン、フィンランドではメンテナンス率は90%以上。そのため、入れ歯の老人を探す方が難しいくらいです。

PMTC

PMTC(プロフェショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)とは歯科医師歯科衛生士が専門の器機を用いて行うプラークコントロールの方法です。虫歯、歯周病予防に絶大な効果を発揮します。
自宅で歯磨きだけしていた人たちとPMTCを継続的に受けている人たちの虫歯になる歯面数は6年間で比較すると、自宅で歯磨きだけの人たちの方がなんと35倍も虫歯になった歯面が多かったと報告されています。自宅だけの歯磨きでは予防効果に限界があるという実例ですね。

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